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特定技能2号への変更には「管理者としての経験」が必要!

現在特定技能1号の外国人を雇用していて、「将来的に特定技能2号へ変更したいと考えているけど、どうしたらいいかわからない」というお問い合わせをいただきます。

必要な試験と実務経験をクリアすれば、5年待たずに変更することも可能です。
ただし、特定技能1号で在留している期間にマネージャー等の管理者としての経験が必要であるため、計画的に昇進する必要があります。
必要な試験と実務経験については分野ごとに異なるため、今回はそれぞれ分野別に解説します。


1. 外食業分野

  • 試験要件
    • 「外食業分野特定技能2号評価試験」に合格すること。
    • 「日本語能力試験(N3以上)を取得すること。
  • 実務経験
    • 営業許可を受けた飲食店において、複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店長、サブマネージャー等)としての2年間の実務経験が必要。

2. 飲食料品製造業分野

  • 試験要件
    • 「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」に合格すること。
  • 実務経験
    • 飲食料品製造業分野において、複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者として2年間の実務経験が必要です。

3. 工業製品製造業分野

  • 試験要件:①、②の両方に合格するか③に合格する必要があります。

    ①「ビジネス・キャリア検定3級」の合格

     (生産管理プランニング区分、生産管理オペレーション区分のいずれか)

    ②「製造分野特定技能2号評価試験」の合格

     (機械金属加工区分、電気電子機器組立て区分、金属表面処理区分のいずれか)

    ③「技能検定1級」

    (鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処    理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、工業包装のいずれか)

  • 実務経験
    • 日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験が必要です。

5. 建設分野

  • 試験要件
    • 「建設分野特定技能2号評価試験」に合格すること。または、「技能検定1級」に合格すること。
  • 実務経験
    • 建設現場で班長または職長として複数人を指導しながら作業に従事する経験が必要です。
    • 必要な経験年数は区分ごとに異なります。

6. 宿泊分野

  • 試験要件
    • 「宿泊分野特定技能2号評価試験」に合格すること。
  • 実務経験
    • 旅館やホテルで複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した経験が必要です。

7. ビルクリーニング分野

  • 試験要件
    • 「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」または、「ビルクリーニング技能検定1級試験」に合格すること。
  • 実務経験
    • 特定建築物の内部清掃において、複数の作業員を指導しながら現場管理を2年以上経験していること。

8. 造船・舶用工業分野

  • 試験要件
    • 「造船・舶用工業分野特定技能2号試験」と 「技能検定1級」に合格すること。
  • 実務経験
    • 造船・舶用工業で複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての2年以上の実務経験を有すること。

9. 自動車整備分野

  • 試験要件
    • 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」または、「自動車整備士技能検定試験2級」に合格すること。
  • 実務経験
    • 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」に合格した場合、認証を受けた事業場で3年以上の経験が必要です。
    • 「自動車整備士技能検定試験2級」を取得した場合、実務経験は不要です。

10. 航空分野

  • 試験要件
    • 空港グランドハンドリング業務の場合、「航空分野特定技能2号評価試験」に合格すること。
    • 航空機整備業務の場合、「航空分野特定技能2号評価試験」または「航空従事者技能証明」を取得すること。
  • 実務経験
    • 空港グランドハンドリング業務の場合、空港グランドハンドリングの現場で技能者を指導しながら作業に従事した経験が必要です。
    • 航空機整備業務の場合、専門的な知識・技能を要する作業を3年以上経験していることが求められます。

11. 農業分野

  • 試験要件
    • 「農業分野特定技能2号評価試験」に合格すること。
  • 実務経験
    • 現場において複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験、又は現場における3年以上の実務経験

12. 漁業分野

  • 試験要件
    • 「2号漁業技能測定試験」に合格すること。
    • 「2号漁業技能測定試験」に合格すること。
    • 日本語能力試験N3以上の取得(どちらの区分でも必要)
  • 実務経験
    • 漁業・・・漁船法上の登録を受けた漁船で、操業を指揮監督する者を補佐する者または作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての経験2年以上必要です。
    • 養殖業・・・漁業法及び内水面漁業の振興に関する法律に基づき行われる養殖業の現場で、養殖を管理する者を補佐する者または作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての経験2年以上必要です。

ポイント

  • 基本的には、2年間のマネージャー等の管理者としての経験が必要になります。特定技能1号の間に必要な経験を積ませましょう。
  • 外食業と漁業については、日本語能力試験(N3以上)が必要です。日々の業務だけでなく、日本語能力試験の勉強もしっかりしましょう。
  • 介護分野については、在留資格「介護」があることから、特定技能2号の対象分野とはなっていません。将来的に、在留資格「介護」に変更できるよう、特定技能1号の間に介護福祉士の資格取得を目指しましょう。