指摘事例 第5条 品質管理監督システムに係る要求事項
及び 第65条 登録製造所の品質管理監督システム
投稿日:2020年5月13日
第5条 品質管理監督システムに係る要求事項 及び 第65条 登録製造所の品質管理監督システム |
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省令 |
第5条(4,5 項) 4 製造販売業者等は、製品に係る要求事項(法令の規定等を含む。以下「製品要求事項」という。)への適合性に影響を及ぼす工程を外部委託することとしたときは、当該工程が管理されているようにしなければならない。 5 製造販売業者等は、前項の工程の管理の在り方を、品質管理監督システムの中で明確に規定しなければならない。 第65条 製造販売業者等は、第五条第四項に規定する工程を外部委託する事業所又は購買物品の供給者の事業所が法第二十三条の二の三第一項又は法第二十三条の二の四第一項の規定による登録を受けた製造所(以下「登録製造所」という。)である場合にあっては、当該登録製造所に係る製造業者又は同項に規定する医療機器等外国製造業者(以下「登録製造所に係る製造業者等」という。)が適切な品質管理監督システムに基づき製造管理及び品質管理を行っていることについて、必要な確認を行わなければならない。 |
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通知 |
第5条(品質管理監督システムに係る要求事項)関係 (1)第4項に基づき外部委託する事業所が登録製造所である場合、登録製造所を管理監督する製造業者は、当該製品の製造に関係する製造業者の品質管理監督システムに関し、新法第23条の2の5第6項又は第11項の規定による調査、第23条の2 の23第3項又は第6項の規定による調査(以下、「QMS 調査」という)に対応しうるよう適切に準備をすること。 (2)第4項の「製品に係る要求事項(法令の規定等を含む。以下「製品要求事項」という。)への適合性に影響を及ぼす工程」とは、登録製造所で行われる工程の他、例えば外部試験検査機関等に係る工程、外部設計開発管理機関等に係る工程等が含まれうるものであること。 第65条 (登録製造所の品質管理監督システム)関係 (1)この条は、製品実現に影響を及ぼす工程を外部委託する事業所又は購買物品の供給者の事業所が、法で規定する登録製造所である場合には、第5条又は第37条の規定に基づく管理の他、当該登録製造所に係る製造業者等が適切な品質管理監督システムに基づき製造管理及び品質管理を行っていることについて、製造販売業者等が必要な確認を行うことを規定したものであること。 (2)製造販売業者等の確認の結果、製品の品質に重大な影響を与える恐れがある場合には、必要かつ適切な措置が採られるようにすること。 (3)この条で定める必要な確認の実施時期は、製造開始前及び定期的に行うことが想定されるものであること。 |
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指摘事例 |
第5 条第4項及び第5項関連 ・「品質マニュアル」4.1項では、外部委託した工程の管理の在り方を確認することができなかった。 ・外部委託業務は「品質マニュアル」及び何れにおいても管理の在り方が明確に示されていなかった。 ・設計プロセスの外部委託の管理が品質管理監督システムの中で明確にされておらず、またその管理方法が明確に定められていなかった。 ・「品質マニュアル」4.1項において外部委託について規定されているが、登録製造所への外部委託についてのみ規定されており、非登録製造所であるA社への外部委託については規定されていなかった。 ・外部委託先であるA社に対する管理の一環として手順書を配付しているとのことであったが、当該手順書は配付管理の手順に基づく管理がされていなかった。 ・「品質マニュアル」で示された以下の工程について、外部委託の管理の在り方が明確に規定されていなかった。 ① 顧客関連プロセス(マーケティング:製品企画に関する事項) ② 製造及びサービスプロセス(技術支援・C社:修理に係る附帯サービス業務) ・製品受領者から情報の収集、汚染された可能性のある返却品の識別等の一部の工程を QMS 適用外である営業部が実施しているが、当該工程の管理の在り方が明確ではなかった。 第65 条関連 ・登録製造所に関する QMS 確認の記録においては、外部委託されている要求事項の一部が確認されていないものがあった。(例えば、第23 条、第24条、第50 条、第52 条など) ・設計開発を外部委託している A 社に対して、適切な品質管理監督システムに基づき製造管理及び品質管理を行っていることについて、必要な確認をしていることの証拠が提示されなかった。 ・品質マニュアルにQMS 省令第65 条に係る記述がなく、登録製造所に対する必要な確認をどの手順に従って実施するのかが明確ではなかった。 ・外国登録製造所に対する確認が実施されていなかった。 ・「購買管理基準書」では、登録製造所のQMS の実施状況の確認として、「ISO13485 等の証明書等により確認し、QMS 省令に必要な追加の確認も実施する」ことが規定されていたが、「追加の確認」は実施されていなかった。 ・調査対象品目の登録製造所であるA 社の品質文書や品質記録の保管期間が、QMS 省令を満足していることを確認していることが確認できなかった。 ・登録製造所の管理について品質マニュアルの 7.4.1.1項に、定期的に実地又は書面(関連書類、ISO 等の認証書)により確認することが定められていたが、ISO 等の認証書等の書面で確認する場合にQMS 省令第3章に係る要求事項をどのように確認するのかが明確でなかった。 ・国内登録製造所に対して実地の監査により製造管理及び品質管理を確認していたが、その際に使用していたチェックリストがQMS 省令の要求事項を網羅しておらず、QMS 省令への適合性を確認できているのか明確ではなかった。 ・調査対象品目の滅菌を行う登録製造所に対し、必要な確認を実施していることが確認できなかった。 ・手順書に規定している製造販売業者による製造所に対する定期的な確認についての取り決めが、滅菌を行う登録製造所との取決め書で確認できなかった。 |
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解説 |
コメント ・QMS組織外の委託先を明確にして、管理する。 →製品に係わる要求事項に影響を及ぼす工程を外部委託するなら、管理方法をQMSの手順として規定する。管理すべき外部委託先には、登録製造所の他に、試験検査、設計開発(臨床性能試験を含む)、表示包装、サービス(営業、学術等)などの委託を含む。 ・外部委託先の管理はどの規定か。 →特別に規定を置かないなら、購買管理規定に含める。実地監査・書面監査で監視測定する。 ・社内の組織でQMS範囲に含めていない組織。 →これは外部となるため、外部委託の管理が必要となるので要注意。例)総務部など ・登録製造所が製造販売業者等と同一のQMSにある場合のポイント。 →登録製造所のQMSの確認は内部監査でやってもいい。 ・ISOの規定の場合。 →ISOに係る規定だとQMS省令に適合していることを確認できないため、日本独特の要求事項を尊守していることを確認するための手段を構築する必要がある。 ・確認の円滑な実施のためのポイント。 →確認の方法と時期について、登録製造所との取り決めその他文書に定めて合意を取っておく。そもそも、実施可能なものでなければならない。確認を記録するだけでなく、不備があれば改善を要求する。 ・適用範囲は不明確・不適切でないか、QMSに係る工程と各部門との関係が不明確ではないかに注意する。 →ISO・QMS・QSRそれぞれ適用範囲が異なるため、適用・非適用を明記しておく。また、間接部門や業務委託部門との菅家や品質への影響等を明確にする。 ・含むべき要素のポイント。 →①製造販売業者による製造業者のQMS実施状況の定期的な確認。 →②確認方法(判定基準・実施者・判定者・要領など) →③結果、採るべきアクション(是正・予防など) ・選任製造販売業者が行う製造所の確認実施の注意点。 →外国特例承認取得者に報告する旨を取り決めておく。 ・QMS実施状況の確認の方法。 →①製造所を実地確認(二者確認) →②製造所の認証書の写し及び内部監査結果の確認 →③製造所の内部監査結果の確認 →④日常業務結果の確認 ・上記の③により行い、漏れがあった場合。 →取り決め事項やQMS省令が含まれていないなら、その差分について提出させるか、実地で確認するなど対応する。 ・情報収集や汚染物質の取り扱いなど細かな工程について。 →このような細かな場合や一部の工程でも、QMS適用外の部署でやらないようにする。 ・65条の適用除外。 →限定第三種の場合は適用除外。 |