取引時確認
投稿日:2017年6月24日
こんにちは。資金移動業担当の清水です。
さて、資金移動業者は、為替取引を行う際は「取引時確認」が求められます。
「取引時確認」。「なにそれ?」という方も、
「どこかで聞いたけどよくわからない」という方も
いらっしゃると思います。
では、取引時確認とはいったい何でしょうか?
どういうことをすればよいのでしょうか?
今日はこの点について述べたいと思います。
1.いつ必要なの?
取引時確認が必要なのは「特定取引」を行うときです。
「特定取引」とは以下いずれかの場合が当てはまります。
1)10万円を超える為替取引
2)継続的・反復的な契約を結ぶ時
これらの場合が「特定取引」に当たり、
「取引時確認」が必要になります。
2.何を確認するの?
どういう時に取引時確認が必要なのかはわかりました。
では、実際は、何を確認すればよいのでしょうか?
何を確認するべきなのかは、実務上から、
大きく2つに分けることができます。
※実務上という意味は後述します。
1)本人特定事項
2)取引目的・職業・事業内容・その他
1)本人特定事項
まず、本人特定事項。こちらは利用者が個人/法人で異なります。
端的に書くと、このようになります。
利用者が個人の場合→氏名・住居・生年月日
利用者が法人の場合→名称・本店又は主たる事務所の所在地
本人特定事項は、確認事項の中でも重要になります。
ですから、後述する取引時確認の方法も厳格になります。
覚えておいてくださいね。
2)取引目的・職業・事業内容・その他
取引目的は、母国の家族に仕送りしたい/ビジネスの取引先に入金したいとか、
なぜ送金するのかということですね。
利用者が個人の場合は職業、法人の場合は事業内容も確認事項です。
また、犯罪収益移転防止法で定めるその他の確認事項もあります。
3.どうやって確認するの?
それでは、取引時確認をどうやって行えばいいのか?
その点を書きますね。
「1.何を確認するの?」で、確認事項を下記のように分類をしました。
1)本人特定事項
2)取引目的・職業・事業内容・その他
なぜこのように分類したかというと、
「どうやって確認するか」は、この分類によって変わるからです。
先述の通り、「1)本人特定事項」は重要なので、
より厳格な確認方法が求められます。
対面取引の場合、本人確認書類(運転免許証等の公的書類)の「提示」、
つまり事業者がそれを直接見ることが必要です。
対面取引ではない場合、本人確認書類又は写しを送付してもらい、
それに記載の住所に転送不要郵便等/本人限定郵便で郵送する方法が求めれています。
一方、「1)本人特定事項」に比較すると重要度が低い
「2)取引目的・職業・事業内容・その他」を確認するのは、
そこまで厳格には求められます。
「申告」又はその他法令で定める方法でOKです。
実務上は、申込時に申請書に書いてもらうという方法が
取られることが多いでしょうね。
4.取引時確認の例外があるって聞いたけど?
特定取引において、取引時確認は原則しなければなりません。
しかし、取引時確認をしなくても良い例外を2つ紹介します。
両方に共通するのは、「何らかの方法ですでに取引時確認がされた」
ということです。
具体的に見ていくと、
1)口座振替で送金資金を送る場合
利用者が事業者に口座振替で送金資金を送る場合、
利用する金融機関が過去に行った取引時確認をもって、
事業者は、取引時確認を行ったとすることができます。
※ただし、事前に金融機関との合意が必要。
2)他の特定事業者に業務の一部を委託する場合
事業者が他の特定事業者(金融機関等)に業務の一部を委託することがあります。
そのような場合では、その特定事業者が過去に取引時確認を行っていて、
その記録が残っていれば、すでに取引時確認がされたものとして、
事業者が取引時確認が不要となります。
というようになります。
さて、今回は「取引時確認」についてお話をしました。
皆様の事業の参考にしていただければ幸いです。