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【前編】京都市が独自の住宅宿泊事業法条例案を検討しています

こんにちは。

秋葉原支店の熊野です。

各自治体が、来年6月の住宅宿泊事業法施行に向けて、条例案の制定を進めています。

その中で、京都市では、京都の文化をいかした民泊を推奨しつつも、地域住民との調和を図るため、独自の厳しい規制を設けることを検討しています。

前編では、11の規制のうち5つについて紹介します。


①住居専用地域での営業

住居専用地域については,閑散期の1~2月(約60日)に限定して営業を認める。

営業制限の期間:3月から12月まで

※家主居住型や一定の要件を満たした京町家(⑤参照)については制限の対象外とする。

 

②管理者の駆け付け要件

営業者には原則として施設に常駐することを求め,営業者が常駐できない場合は,速やかに駆け付けられる範囲に営業者又は管理者を駐在させる。

※「速やかに駆け付けられる範囲」の具体的な距離基準、時間基準等についてはまだ検討中


③対面による本人確認

施設内における対面での本人確認と迷惑行為防止に係る説明を求める。(届出の要件)

※テレビカメラを通じた対応は「おもてなし」や「心のふれあい」を重視する京都にはふさわしくない、という意見がある一方、「対面」を義務付けるに当たっては,法律のどのような規定と結び付けられるか検討する必要がある、という意見も出ている。

 

④共同住宅における営業について

〇共同住宅における独自要件の設定(届出の要件)

・ 通常より厳格化した駆け付け要件を設定する。

・ 共同住宅の入口部分等に営業中の部屋番号等を提示させる。

・ 住人に対し,いつ,何人が宿泊に来るのか,周知させる。

・ 共有部分の使い方について宿泊者に対し周知徹底を行う。

・ 宿泊者に対し,施設内(居室を除く)において,ゲストパスを携行させる。

 

〇分譲マンションにおける管理規約によらない居住者合意の確認(届出の要件)

管理規約に民泊が可能であることが明記されていない場合は,管理組合に禁止する意思がないことを確認したことを証する書類の提出を求める。

 

〇賃貸マンションにおける営業要件の設定(届出の要件)

契約書等により所有者等が同事業の営業を認めていることを証する書面の提出を求める。

※複数の住民が共同で居住する「共同住宅」では、特に周辺住民の生活環境を守る必要があると考えられている。

 

⑤京町家の保全・活用と安全確保

〇住居専用地域内における実施期間制限の適用除外

住居専用地域での京町家を活用した家主不在型の住宅宿泊事業については,同じ町内会・自治会等(又は元学区等)のエリアに管理者を置くことを条件に実施期間の制限を設けない。

・十分な幅員のない路地内などにある京町家における安心安全を確保するための追加措置等

以下のような一定の安心安全の確保に係る追加措置を求める。

・宿泊定員の制限,通常より厳格な駆け付け要件を課す。(届出の要件)

・避難通路の確保を求める。(努力義務)

・耐震性の向上を求める。(努力義務)

 

このように京都市では、管理者の駆け付けや対面での本人確認に加えて、住居専用地域や共同住宅では、特に厳しい規制をかける方向です。

次回は残り6つの規制を見ていきましょう!