倉庫業 業務監査の解説 1.倉庫業者が備えるべき帳票
投稿日:2013年1月1日
サポート行政書士法人・物流チームの山田です。
国土交通省は、倉庫業登録を受けた倉庫業者に対して、定期的に倉庫業法第27条に基づく立入検査を実施しています。
サポート行政書士法人では、短期的な視点での国土交通省の監査対策、中長期的な視点では法令に基づいた適切な業務運営構築のサポートを充実させております。
業務監査の解説 1.倉庫業者が備えるべき帳簿・帳票
倉庫業法施行規則にて、倉庫管理主任者が行う業務のなかに、「倉庫管理業務の適正な運営の確保」の総括という業務があります。
この「倉庫管理業務の適正な運営の確保」の業務のひとつとして、「在庫数量管理」として各種帳簿・帳票を適切に管理することが求められます。
倉庫業者としてどのような帳票を備えるべきかは、倉庫業登録を受ける際に運輸局へ提出する倉庫寄託約款に記載されています。
倉庫業登録には、大きく分けて、倉庫証券を発券する発券倉庫業者と発券しない非発券倉庫業者に分かれます。一般的には非発券倉庫業者が大半ですので、非発券倉庫業者に求められる帳票を挙げたいと思います。
■非発券倉庫業者が備えるべき帳簿・帳票
業務 | 帳票名 |
契約 | 寄託契約書、届出印鑑票 |
入庫 | 寄託申込書、入庫伝票、貨物受取書、入庫通知書など |
在庫管理 | 貨物保管証書、保管貨物通帳、在庫証明書、貨物保管台帳など |
出庫 | 出庫指図書、出庫依頼書、出庫伝票、出庫報告書など |
請求 | 倉庫保管料及び荷役料請求書 |
名義変更 | 上記入庫・出庫の帳票 |
倉庫業者の大半は管理システムを導入し、上記に記載する帳票・帳簿がパソコンにて管理されていることが一般的になってきており、名称や帳票の種類はシステムごと、倉庫業者ごとに異なることがありますが、倉庫業者として備えるべき帳簿・帳票はこのようになっています。 ——————————————————————————————————————————————————
倉庫業法に基づく倉庫料金の変更手続きは行われていますか?
倉庫業者に対する国交省の監査において、一番多い指摘事項は料金変更届出が適切に提出されていないことのようです。
倉庫業者は、登録時に荷主に対して徴収する以下の料金体系を届出る必要があり、届出た料金体系に基づき荷主に対して料金を請求することが義務付けられています。
料金設定の対象となる項目
・倉庫保管料
・倉庫荷役料
・料金の額(料率)
・適用方法
この料金体系に関して、変更が生じた場合は、変更後30日以内に管轄する運輸局に対して料金変更届出書の提出が義務付けられています。
国土交通省の監査により、各帳簿・帳票の確認がなされ、届出を行っている料金体系と差異が判明した場合は、行政指導の対象となりますの注意が必要です。
「登録時から特に手続きをしていない」
「前任の担当者が手続きを行ったのでどの料金体系で届出がされているかもわからない」
このような場合は早急な対応が必要となります。