倉庫業者に対する行政処分 <営業停止及び登録取消し>
投稿日:2011年6月1日
サポート行政書士法人物流チームの山田です。
先月、北海道運輸局管内にて倉庫業者に対する行政処分がありました。
運送事業者に対しては小さなものも含めて年間2000件ほど行政監査がされていて、頻繁に行政処分がされているのですが、倉庫業者については監査は行われているものの行政処分がされるケースは珍しいといえます。
ただ弊社のクライアントのなかでも監査の対象となったところもあり、今後監査の頻度は高まっていくものと思います。
今回はすでに登録を受けている倉庫業登録業者に科せられる行政処分について解説したいと思います。
倉庫業登録業者に科せられる行政処分としては2つあります。
(1)最大6か月間の営業停止
(2)登録の取消し
そして処分の理由としてはこのようになっています。
①倉庫業法違反
②倉庫業法に基づく処分に違反したとき
③倉庫業法に基づく登録、許可、認可に付した条件に違反したとき
④倉庫業登録の登録拒否事由に該当することとなったとき
⑤営業に関し不正な行為をしたとき
この処分理由のなかで、倉庫業者に具体的にあてはまりそうな内容としては、①倉庫業法違反、③倉庫業法に基づく登録、許可、認可に付した条件に違反したときが考えられます。
具体的にどのようなケースがあてはまるかというと
①倉庫業法違反に該当する処分ケース
すでに一部の倉庫では倉庫業登録は受けているのだけど、他の倉庫で倉庫業登録を受けていなくて、その未登録倉庫で顧客の物品等を保管しているケースが想定されます。
倉庫業登録は、会社として受けるのではなく、倉庫の建物ごとに受けなければなりません。
ですから、複数の倉庫を営業しているような場合ですと、それぞれの倉庫ごとに登録番号が付与されます。
このことをよくご理解されていない倉庫業者も見受けられます。
上記で挙げた北海道運輸局管内の処分理由はこれにあたり、すでにAという倉庫では倉庫業登録を受けているのだけど、Bという倉庫業登録を受けていない未登録倉庫にて顧客の物品を保管していたことが発覚し、行政処分としてはAの倉庫の営業停止という処分が科せられています。
③倉庫業法に基づく登録、許可、認可に付した条件に違反したケース
倉庫業を登録する場合に、一定の条件が付されて登録が認められる場合があります。
例えば、壁の強度が基準に達していなくて、「壁から距離を置いて保管する」「ラックを配置して保管する」といった荷崩れ防止措置を行うことを前提に登録を受けている倉庫がこれにあたります。
このような荷崩れ防止措置を付されて登録を受けたにもかからず、壁ギリギリに荷物が保管されていたり、ラックが設置されていなかったりすると、条件に違反しているとみなされます。
また、倉庫業の登録を受けた後に、倉庫内にプレハブ事務所を設置したり、図面にはない造作を加えていたりするのもこちらにあたる場合があります。
通常、上記のような違反ケースは、倉庫業法27条に基づく倉庫への立入検査に基づき発覚します。
倉庫業は一度登録を受けると、更新手続きがないため、倉庫内の施設の変更や会社としてのビジネスモデルが変わった場合でも、見直しが行われないことがあります。
弊社では、法令遵守の観点からも、1年に1度は定期的な見直しをご提案しております。
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倉庫業法