リーダーに何を求めるか
投稿日:2008年5月25日
日本は他の先進国と比べて、開業率が低いと言われています。
起業が少ないことは、その国の成長力に直結することですから、
少子化とともに大きな問題です。
日本の教育はリーダーシップが醸成されにくい教育システムだと思います。
基本的に横並び、底上げ方式で、
同じような価値観、能力を持った人間を大量に生産するしくみとも言えます。
突出する才覚は、十分評価されず、いじめの対象にすらなるので、
できるだけ周りの人と同じだということを強調しながら、学生生活を送ることになります。
大事な10代に、そのような生活を強いられると、
他人と違う自分の意見を言うことでさえ、難しくなります。
均一した価値観のなかでは、求められるリーダー像もおのずと決まってきます。
自分たちと価値観を共有できる、理解しやすいのリーダーを求めます。
理想の上司の1位となった、古田さん(ヤクルトスワローズ元監督)が一例でしょう。
いかにも、物分りの良さそうな雰囲気です。
私は、リーダーに求められるのは、ミッション(使命)に対する結果だと思っています。
しかし、日本人は、結果よりも、自分にとってのメリットで、リーダーを評価します。
会社の場合も同様です。
働きやすくしてくれたか、給料を上げてくれたか、自分にとって理解しやすいか
日本の社長は、その求められるところに従って、どうしても内向きになります。
社員に、その人のメリットを最優先することを求められるからです。
反面、社長が内向きの仕事をすることは、
そのまま、会社の競争力の低下に繋がります。
私の実感としても、物分りの良い社長は、良い業績を残せません。
社員にとって物分りのいい社長では、会社はいとも簡単につぶれてしまうのです。
少し考えてみれば、当然です。
社員は、脱サラ起業しても、ほとんど成功しません。
(起業半年後に半分つぶれ、10年後に6%しか残っていません)
社員に理解されやすいような経営センスで社長業を行っても、
つぶれるのが当然だということです。
社員に理解されやすいことを実践して、会社が存続していくのであれば、
こんな楽なことはないですが、現実は共倒れとなってしまうのです。