鈴木 徹司

リーダーに何を求めるか

鈴木です。

日本は他の先進国と比べて、開業率が低いと言われています。

起業が少ないことは、その国の成長力に直結することですから、

少子化とともに大きな問題です。

日本の教育はリーダーシップが醸成されにくい教育システムだと思います。

基本的に横並び、底上げ方式で、

同じような価値観、能力を持った人間を大量に生産するしくみとも言えます。

突出する才覚は、十分評価されず、いじめの対象にすらなるので、

できるだけ周りの人と同じだということを強調しながら、学生生活を送ることになります。

大事な10代に、そのような生活を強いられると、

他人と違う自分の意見を言うことでさえ、難しくなります。

均一した価値観のなかでは、求められるリーダー像もおのずと決まってきます。

自分たちと価値観を共有できる、理解しやすいのリーダーを求めます。

理想の上司の1位となった、古田さん(ヤクルトスワローズ元監督)が一例でしょう。

いかにも、物分りの良さそうな雰囲気です。

私は、リーダーに求められるのは、ミッション(使命)に対する結果だと思っています。

しかし、日本人は、結果よりも、自分にとってのメリットで、リーダーを評価します。

会社の場合も同様です。

働きやすくしてくれたか、給料を上げてくれたか、自分にとって理解しやすいか

日本の社長は、その求められるところに従って、どうしても内向きになります。

社員に、その人のメリットを最優先することを求められるからです。

反面、社長が内向きの仕事をすることは、

そのまま、会社の競争力の低下に繋がります。

私の実感としても、物分りの良い社長は、良い業績を残せません。

社員にとって物分りのいい社長では、会社はいとも簡単につぶれてしまうのです。

少し考えてみれば、当然です。

社員は、脱サラ起業しても、ほとんど成功しません。
(起業半年後に半分つぶれ、10年後に6%しか残っていません)

社員に理解されやすいような経営センスで社長業を行っても、

つぶれるのが当然だということです。


社員に理解されやすいことを実践して、会社が存続していくのであれば、

こんな楽なことはないですが、現実は共倒れとなってしまうのです。