時間リスクを考えて、起業しよう
投稿日:2008年5月28日
ローリスク起業っていうのが流行っていますね。
起業のときにリスクを抑えたい、と考えるのは当然です。
ただ、誤解を招いているところもあります。
ローリスクはローリターンであり、ハイリスクはハイリターンであること。
これは、経済の大原則です。
ローリスクでハイリターンを得られるように書いてある起業に関する本も見かけますが、
それは間違いです。
リスクは、「お金」と「時間」の両方を考える必要があります。
事業で一定の成果を得ようとした場合、
一定額のお金を資金としてつぎ込むか、相応の時間をかけるか、
その総計がリスクです。
手持ちの10万円を使って起業しても、年商1000万円になるまででも、
かなりの時間が掛かってしまいます。
このようなケースをローリスク起業というのは、違います。
時間というリスク要素が検討されていません。
この場合は、時間リスクを勘案すると、ハイリスクな起業と言えます。
実際、起業した人は、軌道に乗るまで、長い間不安定な生活を余儀なくされ、
軌道に乗る確率も低いものとなります。
ローリスク起業を謳う本には、時間リスクの概念が入っていません。
年商1000万円の事業にするには、
10万円の資金で、長い時間をかけるのか、
100万円の資金で、一定の時間をかけるのか
1000万円の資金で、短期間で達成するのか
起業家には、選択肢がありますが、
リスクを回避する方法はありません。
常に起業にはリスクがつきものなのです。
自分のコントロールできるリスクをあえてとり、
制御できないリスクを極力減らすことが大切です。
開業資金が一定ある40代の脱サラ起業の場合には、時間リスクはとってはいけないリスクです。
生活資金がかなりかかり、数年間軌道に乗るのが遅れると、生活に大きな支障をきたすからです。
また、定年退職後の起業にも儲けたいのであれば、時間リスクはとってはいけません。
働ける期間が少ないので、軌道に乗る前に終わってしまうからです。
どちらの場合も、あえて資金リスクをとり、時間リスクを最小限に抑えることが必要です。
時間リスクを意識することで、自分に合った起業の仕方が見えてくると思います。
起業にもやっぱり「いい話」はありませんね。