増野 佐智子

立場が変われば、世界が変わる

             
こんにちは、増野です。

社内研修で、

「他者への想像力の重要性」 「潜在的・本質的ニーズの掴み方」

等を語っている私ですが、

その一方で、どんなに想像を尽くしたとしても、他人のことは分かり得ないし、 相手の為を思ってとった自分の言動で、 簡単に相手の尊厳を傷つけ得ることを自戒しながら過ごしています。

特に「相手の為に」と思っている時・思っている人ほど、危険信号です。

「相手の為に」と言いながら、実は自分の価値観を基準に、 自分よがりな言動や評価をしていたりします。

しかも「相手の為に」の信念が邪魔をして=盲目になり、 自分が親切の押し売りをしていることに一切気付かないので、とても厄介です。


なんでこんなことを書いたかというと、 私自身、子育て前後で見えている世界に対する評価が180℃変わり、 自戒してもしたりないことを痛感しているからです。

例えば…

● 色んなスーパーの入口付近にオールシーズン置いてある「焼き芋」。

子育て前は、「焼き芋なんて誰が買うんだろ…買ってる人みたことない。 もっと売れる物を置けばいいのに」と思っていました。

でも今は、栄養価も高くすぐ食べれて、子供も大好きな焼き芋は、生活必需品。 焼き芋を求めてスーパーをハシゴすることもある程(笑) 改めて見ると、意外に焼き芋購入者が多いことにも気づきました。

焼き芋メーカーの方、すみません!私何も分かってなかった!


  ● 子育て前は、冬に裸足の赤ちゃんを抱っこしてるママを見て 「寒いのにかわいそう。靴下履かせてあげればいいのに…」と思っていました。

でも今は、私が、裸足の娘を抱っこして、 私の手を靴下代わりにしてダッシュしてたりします(笑)

何度履かせても、なんなら抱っこしてても、器用に自分で脱いじゃう時あるんです。 子供の遊びで靴下が濡れて、履かせる靴下がない時もあるんです~( ;∀;)

あの時のママ、ごめん! そういえば、あのママも子供の裸足の足をさすってたなぁ…今なら分かります!


  ● 子育て前は、スマホをいじりながら子供と登園するママを見て 「子供といる時位、スマホ見なくてもいいのに…」と思っていました。

でも今は、娘を抱っこしながら、スマホをこそこそいじって登園しています。 でも自分の為に見てる訳じゃないんです。 保育園登園までに連絡帳アプリを更新しないとなんです~( ;∀;)

あぁ、あの時のママ、何も分かってなくてごめん!

 
と、まぁ挙げたらキリがない。

自戒して過ごしていたつもりですが、 自分の価値観・自分のフィルターで世界を見ていた張本人は、この私(笑)

そして、自分も子育てを経験して=立場や前提が変わってはじめて、 ようやく少しだけ「相手の立場に立った」見方ができた訳です。

結局のところ、人間、無意識の内に、 見たいものだけを見たいように見て過ごしているんだと思います。

その偏った習性を理解しながら、 また「相手の為」なんて成し得ないこと/自分が簡単に加害者になり得ることを自戒しながら、 それでもなお他者への想像を尽くして、相手の為を探し続けること。

  これが人生なんだな…と、最近悟りました(笑)