清水 侑

投資と業績は似ている③流動性

投資と業績は似ているシリーズの第三弾です。第一弾は「長期」、第二弾は「分散」でした。

第三弾は「流動性」です。

投資では「流動性」、すなわち「売買したい時に売買できる程度」が重要な概念です。
たとえば、株式は流動性が非常に高く、売買したい時にすぐに売買できます。
だから、何かあっても損失を回避できたり、他の資産への投資に切り替えたりできます。

で、「流動性」は、業績を生み出すスキルや知識と関連します。

スキルや知識は、「流動性」の高い、低いがあります。
つまり、それらが、

他の仕事に転用が簡単→流動性が高い
他の仕事に転用が困難→流動性が低い
ということです。

できうる限り、流動性の高いスキルや知識を鍛えるのが、業績安定に繋がります。
何か変化があっても、すぐに対応できるからですね。

逆に、特定分野でのみ使わないノウハウや知識等、
流動性の低いスキルや知識の習得に時間を費やすのは要注意です。
その分野でしか活かせない、変化に対応できない人材になるリスクが高まります。

流動性の低いスキルや知識の習得に自分を賭けるのは、
その分野に将来性や希少性がある等、尖った人材として成立すると見込めるときに限られるでしょう。

余談ですが、「流動性」の高いスキルや知識は、散々大事だと言っている「希少性」と相反します。
「社内/社外のコミュニケーション力」の高い人はたくさんいるから価値が出づらい、ということです。
「流動性」はリスク回避として確保したいが、「希少性」がないと価値が出ないジレンマを解決する一つの方法は、
スキルや知識の掛け算です。つまり、「社内/社外のコミュニケーション力」×「文章力」×「リスク想定力」を
持っている人はそうそういないので価値が出るってことです。

以上、今回は「流動性」の話でした。投資と業績が似ている話はこれで完結です。