塚本 純平

コロナ禍での王将

こんにちは。 秋葉原の塚本です。

最近街を歩いていると、気になることがありました。

このコロナ渦で日高屋が閉店しているその真横で 餃子の王将が新規オープンしていたのです。

どちらも中華料理を提供する大手チェーン店ですが、 個人的には、味やサービスに大きな差はないと思います。

そこで調べてみたところ、 その原因が見えてきたので紹介したいと思います。

まず、各社の前年同月比の売上は次の通りです。
●ハイデイ日高(日高屋を展開)
2020年3月:18%減
2020年4月:50.7%減
2020年5月:52%減
●王将フードサービス(餃子の王将を展開)
2020年3月:3.4%減
2020年4月:21.7%減
2020年5月:11.9%減
※2020年10月には0.7%増と前年を上回る実績をあげています。

コロナの感染拡大に伴う外出自粛や店舗の臨時休業などにより、 前年同月比は両社ともに落ち込んではいますが、 その落ち込み幅には大きな差が見て取れます。

なにが明暗を分けたのでしょうか?

それは、王将が新型コロナウイルスの影響による環境の変化に、 いち早く上手に適応したことが要因であると考えられます。

王将は、これまで店内飲食を主軸においていましたが、 テイクアウトとデリバリーを強化したようです。

確かに多くの企業でも、
「店内メニューをテイクアウトできるようにした」 「店内メニューをデリバリーできるようにした」 のように、店内メニューを自宅で楽しめるように、 提供方法の選択肢を増やしました。

ただ、店内メニューはあくまでも店内で 出来立てを食べることを想定しているため、 一番美味しくいただけるのは店内で提供された時点であり、 持ち帰った時点では味が落ちていることがほとんどです。

ところが、王将はここで、 テイクアウト専用メニューの開発を行いました。 店の看板メニューである餃子のタレも テイクアウト専用のタレにリニューアルしました。 また、電子レンジでご飯とおかずが一度に温められる 新しい容器の開発まで行う徹底ぶりです。

実際に私が見かけた王将でも、 エリア専用の持ち帰り弁当が売られ始めており、 地元の住民が並んで購入していました。

このテイクアウト専用の施策をが功を奏し、 王将はテイクアウトの売上高比率も高まり、 売上減少を最小限に抑えられたというわけです。

王将の取り組みのように、 環境に適応して永く反映するためには、 旧態依然の経営に固執せず、 環境に適応して新分野展開や業態転換を行う勇気も必要ですね。

更に今は、 企業の思い切った事業転換等の取り組みに際し活用できる 「事業再構築補助金」を経済産業省が用意しています。

採択制のため受給を約束できるものではありませんが、 変革を起こす良いタイミングなのかもしれません。