増野 佐智子

「他人に任せる」ということ①


   
こんにちは。新宿の増野です。

自分1人でできることは限られます。 仕事では、特にそうです。

当社でも、入社1年目から連携スタッフに業務を任せたり、 2年目以降も新人に任せたり顧客に任せたり、 色々な「任せる」スキルが試されます。

人に何かを任せる時、以下のような理由で、 短期的に「自分でやった方が早い/自分がやるべき」という判断になりやすいです。

●業務の引き継ぎが面倒
●相手のレベルによっては、一から説明しないといけない
●任せた後、相手の業務進捗を気にしないといけない
●結局自分でやり直すことになる可能性がある

そして、毎回任せるか悩んだ後に「今回は自分でやった方がいい」と決め、 いつしかそれが当たり前になり、結果、人に任せることができない人が生まれます。
 
人に任せることが苦手な人は、以下のようなタイプに多い気がします。

完璧主義な人、細かい人、真面目な人、心配性な人、
周りからの目を気にする人、お人好しな人(言えない人)、
失敗に厳しい人、責任感が強い人、人間不信な人、
実務遂行力が高い人、コミュニケーションが苦手な人
 
人に任せることができないと、こんな悪循環に陥ります。

①自分の業務量が増え、残業も増える。

②1日の時間は限られるので、一つ一つの仕事が雑になる。遅れが多発する。

③周囲との関係が悪化する。
・顧客は、質低下や遅れに対して不満。
・会社からは帰社時間を守らない、周囲が成長しない等で低評価に。
・後輩は「なんで任せてくれないのか」と自信喪失し、益々任せられない状態に。

④(身から出た錆で)増える業務の質がどんどん下がる。
労力をかけても得られる効果が少ない。(なかなか満足度が上がらない)

⑤いつまでも、自分でなくてもできる業務に追われ、
自分の業務のレベルが上がらない。成長を実感できない。

⑥悪循環の繰り返し

最終的には、自分自身がまわらなくなり、 一番本人にとって不本意かつ最悪な状態で、人に任せるしかなくなる訳です。
 
実は、私も10年前は、この「他人に任せられない人」でした。

「顧客の大事な申請なのに、ミスがあったら大変」と、 全部自分で確認しないと気がすまない、任せた後の進捗が気になって仕方がない、 ちょっとしたやり方の違いが気になる…etc

上述した悪循環に、片足…いや両足突っ込んでいたと思います(笑)

一回キャパオーバーした時に、「自分でやる」を諦めることを学びました。 自分の手元で止めて腐らせるよりは、自分的に20点位のレベルでも、 何かしら前進している方がマシだと気づきました。

顧客を頼ることも学びました。

このスピード社会の今、自分1人で時間をかけて100点のものを納品するより、 超短期間でとりあえず20点のものを納品した方が、顧客からも喜ばれます。 20点のものをたたき台に、顧客と一緒に意見を出し合っていくと、 最終的に、超短期間で150点のものが仕上がります。
 
最近、私の周りでは、こんな出来事を多く見かけます。

「仕事が任せられず、上記悪循環に陥っている人」 「自分1人でやった方が早い…からなかなか前進しない人」 「2人で仕事をしているのに、1人分以下の仕事の成果にしかならないチーム」

また、「自分は他人に任せることができている」と思っている人でも、 実際は「任せる」ではなく、「丸投げ」になっていることも多いです。

私も任せるスキルを勉強中の身ですが、自分の過去を振り返って、 どうやったら適切に任せることができるのかを、言語化してみたいと思います。

次回のブログをお楽しみに!