鈴木 徹司

やる気の科学

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 何かの本で読んだことがあるが、

作ったものを元に戻す作業を繰り返すと、

やる気も覇気もなくなるという。

 

戦時中、捕虜を管理するのに、

みんなで大きな穴を掘らせて、夕方にはそれを埋める。

これを繰り返して、反乱しない従順な捕虜に仕立て上げたという。

 

人間のやる気やモチベーションは、こんなにも脆い。

 

元々、人間はモチベーションに満ち溢れた生き物だと思う。

どの子供も、やりたいことがはっきりしていて、

それに取り組む執着力は大人の比でない。

 

いつの間に、やる気を引き出すっていうようなおかしな方法を用いないと、

できなくなってしまうのかを考えてみた。

 

<仮説>

やる気に満ちた幼児



やる気を失わせる教育



何事にもモチベーションの低い大人

モチベーションを上げないと、前向きに取り組めなくなってしまう。

 

では、やる気を失わせる教育とは何か?

 

それは、「いい子」を育てる教育ではないか。

例えば、夜寝る時間になると、どんなに盛り上がっていた遊びも片付けて寝なければならない。

 

「もう寝る時間なので、片付けて寝なさい」 「はい」

理想的に見える親子関係は、管理者と捕虜の関係に酷似していないか。

 

どんなに一所懸命に作っても、親の一声ですべて元に戻さなければならない。

自分の意思に関係なく、自分の努力は無になってしまう。

 一所懸命に取り組めなくなるのは、自然の理だ。

 

まだまだ仮設の域を出ないものの、

私自身がたくさんの経験を積んで、

この教育手法を10年後に検証してみたい。

今の教育は大きな間違いをしているのではないかと感じている。