「不安」の上手な使い方① ―不安の正体―
投稿日:2017年6月30日
こんにちは、新宿オフィスの増野です。
GW広島帰省時、帰りの新幹線での出来事です。
新幹線は、リターンラッシュの子供達で大賑わい。 同じ車両にいた母親が、子供達に「次の駅で降りるから準備ね」と言いました。
すると、3才位の男の子が、ものすごい勢いで泣きわめき始めました。
その子は、どうやら電車が大好きな男の子。
事情を察した母親が「降りたらもっと好きな電車に乗るから大丈夫よ」と言うと、 瞬時にニコニコ笑顔に戻りました。
ささいな一場面ですが、とても興味深い出来事でした。
「新幹線が、目的地に近づき、母親が降りる準備をするように言った」 起きた事実は、ただこれだけです。
それなのに、この子は「もう好きな電車に乗れない」と、 勝手に自分にとってマイナスな要素を追加し、勝手に悲しくなり、 勝手に泣きわめいた訳です。
不安の正体は、まさにこれだと思います。
まだ起きてもいない仮説、確証もない仮説を勝手に立て、 勝手にそれが現実に起きたように気を病み、心を悩ませ、 自分で自分の心を疲弊させている状態です。
この自分で勝手に作り上げた不安に襲われている時間は、 無意識の内に行動が減り、視野も狭くなり、何も進まず、何も解決しない時です。
私達大人も、たぶんこの男の子と同じです。 日々、勝手に不安に襲われているはずです。
例えば、仕事中。
案件が少ない時には、 「このまま毎月予算達成できないかも。チームや担当を変えさせられるかも。 社員間評価で低評価を受けるかも。後輩に越されるかも…」
案件が増えたら増えたで、 「実務がまわらなくなるかも。手続き漏れが起きるかも。 同じことの繰返しで成長がとまるかも。このハードワークがずっと続くかも…」
仕事以外でもきっと同じです。
不安は、エンドレスに、いつも、私達を襲ってきます。
不安をなくせれば、最高です。
でも無理です。諦めてください。
だって、電車好きな男の子が、誰から教わるでもなくそうしていたように、 人間の賢い本能がそうさせるんですから。
「不安は絶対なくせない/ゼロにはならない」と潔く諦めること。
不安を上手に使う為の、ファーストステップは、実はこれだと思います。
でないと、いつまでたっても不安がなさそうに見える誰かと比較して、 もっともっと不安になっていきます。
不安がなさそうに見える誰か、 不安なんか感じる余地もなくすごく偉大に見える誰かも、 絶対に不安を抱えて生きています。
不安のない人なんて、いないんです。
そうはいっても、不安過多の状態は、精神的にも肉体的にも疲弊してしまうので、 適度な不安量に抑え、上手に付き合っていくことが大切です。
ということで、次回は「不安を減らす方法」を取り上げたいと思います。