鈴木 徹司

カウンセリング

鈴木です。
今日の日経夕刊18面の「こころのサプリメント」を読みました。
臨床心理士のカウンセリングです。

「三十代のA子さんは、今の部署に異動して以降、上司から業務のことで繰り返し注意を受けていた。次第に自信を失い、意欲や気力もなくなりカウンセリングに訪れた。…」

「まず、上司の業務の与え方に無理があり、現在のA子さんに高度な要求をして注意するのは筋違いであることを伝えた。さらに、それに応えられないからといってA子さんの能力がないわけではないことを理解してもらい、自信を取り戻してもらった。・・・」

なるほど。まず相手の言うことを受け入れること。
あなたは悪くないことを伝えること。
相談者の心が解きほぐされていくのがイメージできます。

「後日、上司に自分の気持ちを伝え、状況は改善された。」

もうひとつのストーリーを私が用意してみた。

「B子さんは、会社の管理職として、部下数名を率いている。最近、ケアレスミスを繰り返し、仕事を覚える気も感じられない部下が悩みのタネだ。注意すると、さらにやる気をなくし、昨日はとうとう逆ギレして、無理な要求をしないで!と言ってきた。職場の雰囲気はギスギスして悪くなる一方。その人に気を遣ってばかりで、とうとう他のメンバーから何とかしてくださいと泣きつかれた。…」

「まずは、その人に、あなたの仕事振りが周囲に迷惑を掛けていることを率直に伝えてください。」

「後日、部下にはっきり言ったら、自分の非を認めてくれ、部署も落ち着きを取り戻しました。」

自分が困窮すると、他の誰か(何か)に問題があるに違いないと考えるのは、間違っている。

もちろん、それを誘導したり、カウンセリングするのは、論外だ。

上の二つのストーリーは、同一の事象を主人公を変えて、書いている。

どちらが正しいのかは、問題ではない。

それぞれが他者に問題があり、それに対して、行動を起こそうとしていることだ。

カウンセラーが上の例のようなカウンセリングを行っているのであれば、

問題はさらに根が深くなる。

誹謗中傷、恨み合いになってしまう。

上の例では、「状況は改善された。」とハッピーエンドなっているが、

想像してみて欲しい。

ほとんどの人が改善された状況を想像できないと思う。

次回に私のカウンセリングを書きたい。