「謝る」から「感謝する」へ
投稿日:2017年1月19日
鈴木です。
行政書士の業務には、ビザ手続き、帰化手続きという外国人個人向けの業務があり、
また海外企業の日本進出時の許認可を手掛けることもあるため、
外国人社員が活躍する場が多くあります。
これまで、中国人、韓国人、アメリカ人、ベトナム人、ブラジル人、イギリス人、ミャンマー人と仕事をしてみて、日本人社員と異なる共通点を発見しました。
あまり謝らないことです。
日本社会では、何か仕事上で、ミスしたり、遅れたりしたら、
「すみませんでした!」みたいに謝るのが常識ですが、
外国人社員の場合は、笑顔で「では、こうしましょう」とか、対策から入ってくることが多いです。
日本のビジネス界で育った私は、「失敗したら、まず謝る」「言い訳せずに、誠意を示す」と教わってきたのですが、
今、それは、本当に大切なことなのか、疑問に感じています。
何か日本だけの常識のような印象です。
日本人社員の場合は、謝り慣れているので、
深刻な表情で、反省の態度を示して、さらっと謝るやり方ができますが、
外国人社員の場合は、いざ謝るとなると、
感情的になりすぎてしまって、上手くいかないケースがあります。
外国人社員を雇用し始めた10年前くらいは、
ミスをしても、それを軽く捉えて、「問題ないですよ」なんて言われると、
反省していないように感じてしまって、怒ったりしてたんですが、
どうやら謝る文化の違いだと段々気づいてきました。
外国人社員の場合、ミスした本人は、反省の意思表示をしたことで、
実際にミスが減るわけでもないし、あまり教育的効果はないんですよね。
逆に、苦手意識をもってしまって、その仕事をしたがらなくなったり、後回しにするようになったりと、問題が複雑化していってしまうこともあります。
日本的な「反省」「謝罪」は、日本独特の文化でもあり、
外国人社員と共有することは、なかなか難しいのですが、
共有しやすい文化も見つけました。
「感謝」です。
ミスしたり、遅れたり、迷惑かけたりしたときに、
一緒に対応してくれたことに感謝する。
気づいてくれたり、考えてくれたことに感謝する。
その感覚は、万国共通のように感じます。
そこを強化することで、チームワークを作りだすことが、グローバルなチーム作りに大切な気がします。
上司に書類のミスを指摘されたら、謝るのではなく、ミスを発見してくれたことに感謝する。「ミスを見つけてくれてありがとうございます」
体調不良で、急に休んで同僚にフォローしてもらったら、謝るのではなく、フォローに感謝する。「代わりに対応してくれて助かったよ」
仕事の完成が遅れて、周りのメンバーに手伝ってもらうことになったら、謝るのではなく、
その応援に感謝する。「いつも協力してくれてありがとう。次はこっちが協力するからな」
チームメンバー同士が、お互いの失敗を謝り合う関係でなく、感謝し合う関係へ
グローバル企業に向けて、社風を進めて行きたいです。