鈴木 徹司

「謝る」から「感謝する」へ


鈴木です。

行政書士の業務には、ビザ手続き、帰化手続きという外国人個人向けの業務があり、

また海外企業の日本進出時の許認可を手掛けることもあるため、

外国人社員が活躍する場が多くあります。

 
これまで、中国人、韓国人、アメリカ人、ベトナム人、ブラジル人、イギリス人、ミャンマー人と仕事をしてみて、日本人社員と異なる共通点を発見しました。

 
あまり謝らないことです。

 
日本社会では、何か仕事上で、ミスしたり、遅れたりしたら、

「すみませんでした!」みたいに謝るのが常識ですが、

外国人社員の場合は、笑顔で「では、こうしましょう」とか、対策から入ってくることが多いです。

 
日本のビジネス界で育った私は、「失敗したら、まず謝る」「言い訳せずに、誠意を示す」と教わってきたのですが、

今、それは、本当に大切なことなのか、疑問に感じています。

 
何か日本だけの常識のような印象です。

 
日本人社員の場合は、謝り慣れているので、

深刻な表情で、反省の態度を示して、さらっと謝るやり方ができますが、

外国人社員の場合は、いざ謝るとなると、

感情的になりすぎてしまって、上手くいかないケースがあります。

 
外国人社員を雇用し始めた10年前くらいは、

ミスをしても、それを軽く捉えて、「問題ないですよ」なんて言われると、

反省していないように感じてしまって、怒ったりしてたんですが、

どうやら謝る文化の違いだと段々気づいてきました。

 
外国人社員の場合、ミスした本人は、反省の意思表示をしたことで、

実際にミスが減るわけでもないし、あまり教育的効果はないんですよね。

 
逆に、苦手意識をもってしまって、その仕事をしたがらなくなったり、後回しにするようになったりと、問題が複雑化していってしまうこともあります。

 
日本的な「反省」「謝罪」は、日本独特の文化でもあり、

外国人社員と共有することは、なかなか難しいのですが、

共有しやすい文化も見つけました。

 
「感謝」です。

 
ミスしたり、遅れたり、迷惑かけたりしたときに、

一緒に対応してくれたことに感謝する。

気づいてくれたり、考えてくれたことに感謝する。

 
その感覚は、万国共通のように感じます。

そこを強化することで、チームワークを作りだすことが、グローバルなチーム作りに大切な気がします。

 
上司に書類のミスを指摘されたら、謝るのではなく、ミスを発見してくれたことに感謝する。「ミスを見つけてくれてありがとうございます」

 
体調不良で、急に休んで同僚にフォローしてもらったら、謝るのではなく、フォローに感謝する。「代わりに対応してくれて助かったよ」

 
仕事の完成が遅れて、周りのメンバーに手伝ってもらうことになったら、謝るのではなく、

その応援に感謝する。「いつも協力してくれてありがとう。次はこっちが協力するからな」

 
チームメンバー同士が、お互いの失敗を謝り合う関係でなく、感謝し合う関係へ

グローバル企業に向けて、社風を進めて行きたいです。