鈴木 徹司

内定取消を批判すべきでない

おはようございます。
鈴木です。

新聞紙上に業績悪化に伴う内定取消の記事を見かけるようになりました。
その趣旨は、今さら内定を取り消すなんてひどい企業だというもの。

確かに、来春卒業する学生にとって、これからの就職活動は厳しいものになります。
夢と希望を持って社会に出て行く人にとって、あまりに愕然とする事態だということは想像に難くありません。
それでも、内定取消を批判するべきでない、と私は思います。

今回の不況の中、業績が悪化した会社は、当初の予想以上に多くなりました。
ほとんどの会社が経営に大きな影響を受けてしまいました。

朝日新聞によると、今年度の現在までの内定取消件数は331件。
当然、氷山の一角です。
去年より増えているというものの、ごくごく一部が表面化しているに過ぎません。

その数百倍もの会社が、内定取消を検討していると想像できます。

内定取消が酷い行為だという社会風潮ができてしまえば、会社経営者は、内定取消をしたという社会批判を恐れ、問題を先送りしてしまいます。

問題の先送りは、来春にまともな仕事が与えられない新入社員を生み、倒産寸前の会社にも内定者が入社するといった事態さえ生むでしょう。

そのことのほうが、新社会人を苦境に追い込み、将来に大きなダメージを残します。

業績悪化で新入社員を採れない状況にも関わらず、安直に新入社員を迎え入れる無責任な行為こそ、批判されるべきだと私は思います。