鈴木 徹司

将棋の魅力

鈴木です。

将棋の勝負では、敗者が勝負を決します。

自分に勝つ見込みがないと判断したとき、対戦相手に「負けました」と伝え、

その瞬間に勝負が終わり、自分の負けが確定します。

私が知る限りでは、このような終わり方をする勝負はありません。

通常は、勝者が決するか、審判が決するか、時間で終わるか、です。

将棋の対局を見ていると、対局者のさまざまな感情が読み取れます。

自身の指した手への後悔、負けを認めることの苦渋、自分の不甲斐なさ・・・

それでも、声を振り絞って、勝負の終わりを告げます。

勝者は、相手を思いやり、自身も苦しかったという面を表現し、

敗者は、努めて、明るく振舞います。

対局終了後は、どちらが勝者か分からないような雰囲気です。

負けを認める潔さと敗者へのいたわりは、日本文化の象徴だと思っています。