鈴木 徹司

再チャレンジ

数年前によく言われていた「再チャレンジができる社会づくり」。

当時の安倍総理もよく言及していました。

私も興味ある課題として注目していたのですが、いつの間にか聞かなくなってしまいました。

そこで、わたしなりに「再チャレンジ」を考えてみました。

サラリーマンを辞めた45歳の男性をモデルにしてみます。

退職理由は、リストラまたは心身の不調としましょう。

今後の選択肢は、

①サラリーマンとして再就職する

②独立する

まず①の再就職。

かなりの待遇低下を覚悟しなければなりません。

前職で600万円の年収だったとしても、それは、その会社で、社内のことも、取引先のことも

十分に把握していたという前提でもらっていた給料ですから、

新天地では同様のようなパフォーマンスを挙げることは容易ではありません。

新しい会社で年収が同等以上もらえる人は、かなり能力の高い人に限られます。

次に②の独立ですが、

こちらも知ってのとおり大変です。

飲食店にしろ、販売業にしろ、大手資本とがっぷり四つで闘わなければならないので、

独立後は、まさしく孤軍奮闘です。

かといって、フランチャイズに加盟すると、

サラリーマンと変わらないような生活になることもあるし、

大手が入ってこないニッチ業界では、食べていくのがやっとです。

こういう訳で、サラリーマンを辞めた45歳の男性は、八方塞になることがあります。

こんな現状を変えるべく、私が提唱したいのは、

一部の業種を再チャレンジ向けに限定してしまうこと。

指定業種(一部の飲食業、一部のサービス業など)を45歳以上の個人にしか、開業できないように定めます。

(もちろん、既存事業者への配慮は必要ですが、ここでは割愛)

しかも一店舗のみしか認めず、多店舗展開は禁止です。

このことによって、この業界は、45歳以上の個人の単店舗経営というルールのなかでの競争になります。

大手資本の多店舗チェーンには勝てなくても、これなら勝ち残れそうな気がする人も多いと思います。

再チャレンジは、チャレンジしようという本人の気持ちが出てこないと何ともなりません。

45歳の失意の人が再チャレンジしようと思い立つには、

始めから周回遅れのようなスタートでは無理があります。

同じような人との競争であれば、よし、もう一回がんばるぞ、と思ってもらえそうです。

書きながら、思いつきましたが、パラリンピックと同じ発想かもしれませんね。

全員が同じスタートではなく、その人に合ったステージで、フェアに競争する。

リストラ問題も、障害者の経済的自立の問題も、非正規社員の問題も、

こんなところに解決策があるのかもしれません。