鈴木 徹司

学歴の重要性の低下



学歴の重要性が、年々低下していっています。

私が、社会人になった20年前くらいは、どの大学卒業かとか、よく話題になりましたし、

有名大学でないと入社できない企業がたくさんありました。

社内にも学閥とかがあり、昇進のためには、いい大学出身でないと難しい面もありました。

 
20年前当時と現在では、隔世の感があります。

企業の採用活動において、学校名を中心に行うことはほとんどなくなりました。

入社してからも、昇進に大学名が関与しているって話は全く聞きません。

 
なぜ、そもそも学歴が採用で重視されたかというと、

昔は、大量一括採用のため、一人ひとりの人間性を判断する時間が取れず、

まあ有名大学を卒業しているんだから、まずまずの人間なんだろうと見当をつけて、

適当に採用していたからです。

入社してから社内選抜して、幹部となる優秀な人材を絞り込んでいきました。

 
現在においては、どの企業もそんな採用はせず、

一人を採用するにも、幾度も面接を繰り返すような厳選採用をしています。

 
考えてみれば、人間性で採否を判断するのは、至極当然で、

しっかり選べる時間があるなら、

誰だって、一緒に仕事をする人を学歴中心に選んだりしません。

 
 
一方、子どもの教育においては、相変わらず、学歴重視が続いています。

<いい大学に入れば、いい会社に入れて、いい暮らしができる>

という勝利の方程式は、親世代には、いまだ盲目的に信じられています。

 
自分の成功体験を子どもに伝えることは、一般的には悪くないのですが、

学歴の重要性については、時代が違うため、逆効果になります。

将来、有名大学を卒業したのに、就職がうまくいかないという例が頻発するでしょう。

 
その予兆は、すでに出ていて、コミュニケーション能力や協調性のない若者が、

就職できなかったり、就職しても会社にうまく適応できなかったりして、

社会人へのステップで苦労しています。

 
<いい大学に入れば、いい会社に入れて、いい暮らしができる>

と子どもに伝えて来た親は、苦労する子ども達に将来懺悔しなければならないでしょう。

子どもにいい暮らしをさせたいのであれば、こんなメッセージがいいように思います。

<自分を磨いて、人の役に立つようになると、いい暮らしができる>