「負けない」と「勝つ」の違い
投稿日:2013年8月10日
という誤解が多いように思う。
両者の違いについて、
それぞれにおける一般的な戦術から考えてみたい。
<負けないための戦術>
他の人と同じような行動をとること。【同調】
負けに繋がるようなミスをしないこと。【リスク回避】
<勝つための戦術>
他の人と違う行動をとること。【差別化】
勝利に繋がる行動をすること。【リスクテイク】
このように、全く戦術が異なるので、
負けないような行動と勝つための行動は両極端とも言える。
なぜ、「負けない」=「勝つ」
というような誤解が生じてしまっているのかを考えると、
対戦スポーツから学んでしまっていることに思い当たる。
対戦スポーツでは、実社会と違い、特殊な環境がある。
相手のミスが勝利に繋がったり、
負けなければ最後は勝てるということがある。
対戦スポーツでは、自らのミスを極力減らし、相手のミスに乗じることは、
勝つための実践的な戦略となりうる。
そのため、同等の相手なら、ほとんどのチームがこの戦略をとる。
リスクをとって、賭けに出たりするのは、
そこに付け込まれて負けに繋がることが多いので、
できるだけリスクを回避して、無難な試合運びをする。
相手が先にミスをすれば、そこをついて、勝利に結びつける。
「ミスしたほうが負け」という理屈だ。
ところが実社会では、このようなことはほとんどない。
つまり、相手がミスしたとしても自分の勝利にはならない。
隣の同僚がミスをしても、自分の評価が上がるわけではなく、
同期の一人が大失敗したとしても、自分が出世するわけではない。
もちろん、取引先がミスを犯しても、自分や自社が得することは何もない。
「負けず嫌い」を自認する人が、社会人になって、
伸び悩む姿をたくさん見てきた。
「勝ちたい」欲求に溢れながら、
学生のときと同じように「負けない戦略」を採ってしまう。
「負けてもないけど、勝ってもない」
そんな中途半端なことにならないように、
若手を指導していきたい。