鈴木 徹司

親の責任って何だろう?

親になって、12年。

生まれたての赤ちゃんを抱いた感触は鮮明なのに、

あっという間に、その赤ちゃんは中学生になった。

 
親になったときに、両肩にズシリと何か重いものが掛かったように感じたが、

それはまったくの杞憂だった。

 
26歳で結婚してから5年間、うちは子作りをしなかった。

夫婦ふたりで遊ぶことに熱中していたこともあったが、

子どもを持つことに、親になることに躊躇があったことも否めない。

 
子どもは大好きで、いずれ欲しかったのに、

親の責任、親の義務、親の苦労、

そんな見えない負担感を無意識に避けていたようにも思う。

 
今、親になってからの12年を振り返ってみると、

親の責任なんて、改めて考えることさえなかった。

親の義務は、あるんだろうけど、義務感はまったくない。

親の苦労も少しはあったようにも思うけど、何があったかは具体的に思い出せないほど軽微だ。

 
なんだか、大変なイメージだけで、随分損した気がする。

失ったものが1としたら、得たものは100。

比べることすら難しい。

 
先入観で損していることって、人生には多いんだろうなと感じる。

プラスイメージでスタートすると、きっともっとうまくいく。