鈴木 徹司

「 自信のなさ 」の訳

宮本さんの「ダメな人間」にもあるように、
中高生に限らず、
20代も30代も自信のない人がたくさんいます。

その自信のなさを分析してみると、
自己評価と他者評価の差異に気がつきます。

その人の実力に対して、自己評価が異常に高い。
自分が「できるはず」と思っていることは、たまたま一度できただけで、
実力よりかなり上ということがあります。

10できると自分では思っているのに、実際は3しかできない。
そのギャップが自信を奪っています。

明らかな実力不足であるにも関わらず、「できるはずなのにできない」と感じてしまう。
焦りと、もどかしさと、どうしようもない苛立ちがそこにあります。

やはり教育が間違っていました。

~褒めて育てる (正確には、おだてて育てる)~

3の実力しかない子供に、
「あなたはやればできるよ」
とおだてる。

すると、調子に乗って、10のことでも、やり切れるときがある。
「ほら、できたでしょう。あなたはできる子なのよ。」とほめる。

そして、教育者は「褒めて育てた」と得意がる。

でも、ほとんどのケースでは、「できるはず」のことができなくて挫折している。

親や教師という大切な人の期待に応えられなかったことに
子供は、大きな傷を負っている。

「できるはず」と洗脳されて、プライドは高くなり、
「できない」体験を繰り返して、プライドはズタズタになる。

それを繰り返すうち、プライドだけが高くなった、挫折だらけの子供になってしまう。

自分でも何ができて、何ができないのか、さっぱり分からなくなる。

自分を見失った状態だ。

ずいぶん、罪作りなことをしたと思う。

ここまで、自信のない子供たちを量産してしまった教育を見直したい。