鈴木 徹司

あえて不都合な環境を提供する


育児をしていて、最も難しいと感じるのが、
「子供にとって、不都合な環境をどう提供するか」です。

子供の環境は、恵まれすぎていて、
不都合なことはほとんどありません。

物分かりの良い親、仲の良い友達、親切丁寧な先生、優しい近所の人、
親の庇護の元、難題につきあたることは滅多にありません。

不都合のない環境で、すくすく育ってしまうと、
大人になったときに、不都合なことに対応する能力が育ちません。

人間関係がうまくいかない。
自分のしたい仕事ができない。
給与が上がらない。
安定した生活ができない。 大人になると、自分に不都合なことも次々と起こってきます。

そもそも、人生そのものが、「自分にとって、不都合なことを改善する繰り返し」であり、
他人の役に立つ仕事とは、「他人の不都合なことを改善すること」です。

不都合なことを改善する能力なしに、
人生を切り拓いていくことはできません。
その能力を開発する環境こそ、「不都合な環境」なのです。

合わない人と折り合いをつけていかないといけない。
自分がしたくないことをしないといけない。
周りの評価が低いなかでも、腐らずに踏ん張らないといけない。
先の見通しが立たないなかでも、前向きでないといけない。

不都合な環境を改善する能力をつけるために、
あえて、子供に不都合な環境を提供する。
タイミング、レベルともに設定するのが難しいですね。