医療用手袋・医療用グローブの医療機器認証・届出
投稿日:2020年5月29日
病院内・診療所内での感染対策として必需品の手袋・グローブについて解説します。
厚生労働省は、手袋をクラスⅠとⅡの医療機器として設定しています。
さらに用途や素材で6つの一般的名称に区分されています。
一般的名称 | クラス | 定義 |
天然ゴム製手術用手袋 | Ⅱ |
医科及び歯科で手術に用いる場合、患者及び使用者を交差感染から守るため使用する天然ゴム製の用具をいう。 |
非天然ゴム製手術用手袋 | Ⅱ |
医科及び歯科で手術に用いる場合、患者及び使用者を交差感染から守るため使用する合成素材の用具をいう。 |
放射線防護用手袋 | Ⅰ |
術者や他の要員の手の全体を診断及び治療措置に関連した一次放射線や散乱放射線による不必要な被曝から保護するために使用する個人用の保護装置をいう。それぞれの指が個々に保護される。一般に診断用のX線や核医学で使用する手袋は、薄い1枚の鉛又は鉛と同等の材料を覆う耐液体性の外部カバーで構成される。本手袋は、指及び手の裏表へ達する全方向からの放射線を防御している。一部の手袋は液状の放射性物質や体液から保護するための追加的な物理的障壁を有している。 |
歯科用手袋 | Ⅰ |
歯科の診察、治療及び処置に用いるゴム製又はビニール製の手袋をいう。手術に用いるものを除く。 |
非天然ゴム製検査・検診用手袋 | Ⅰ |
手術を除いた検査、検診、治療行為及び汚染された医療材料を取り扱う場合、患者及び使用者を交差感染から守るために使用する合成素材製手袋をいう。歯科用手袋を除く。 |
天然ゴム製検査・検診用手袋 | Ⅰ |
手術を除いた検査、検診、治療行為及び汚染された医療材料を取り扱う場合、患者及び使用者を交差感染から守るために使用する天然ゴム製手袋をいう。歯科用手袋を除く。 |
簡単にまとめると手術用手袋はクラス2の管理医療機器、それ以外の用途で使われる手袋はクラス1の一般医療機器となります。
天然ゴム製手術用手袋・非天然ゴム製手術用手袋の認証基準
手術用手袋はクラス2に該当し、下記の認証基準を満たさないと医療機器とすることができません。
一般的名称 |
天然ゴム製手術用手袋・非天然ゴム製手術用手袋 |
定義 |
医科及び歯科で手術に用いる場合、患者及び使用者を交差感染から守るため使用する天然ゴム製・合成素材の用具をいう。 |
使用目的又は効果 |
医科及び歯科の手術において、患者及び使用者を交差感染から保護すること。 |
クラス |
Ⅱ(認証申請後の審査を経て医療機器登録が可能) |
主な規格 |
JIS T 9107 上記の規格に適合していることを証明したうえで認証申請 |
天然ゴム製手術用手袋・非天然ゴム製手術用手袋(クラスⅡ)を製造販売する場合の許可
製造販売元 |
第二種医療機器製造販売業 |
国内保管倉庫 |
医療機器製造業登録 |
卸売店・小売店 |
管理医療機器販売業・賃貸業届出 |
検査・検診用手袋(クラスⅠ)を製造販売する場合の許可
製造販売元 |
第三種医療機器製造販売業 |
国内保管倉庫 |
医療機器製造業登録 |
卸売店・小売店 |
許可不要 |
医療機器製造販売業許可や製造業登録を取得するためには、
学歴のある責任者や品質保証業務等の経験がある責任者を確保する必要がある上に、
Quality Management SystemというISOと同等の管理システムを準備する必要があり、
新規参入者にとってはかなりハードルの高い制度になっています。