名取 正輝

懲罰

Natori写真 こんにちは、名取です。

先週あたりに、asahi.comに掲載されていて面白かった記事を紹介します。

ホンソメワケベラという掃除魚の話です。

掃除魚というのは、大型の魚にくっついて、食べ残しや寄生虫などを食べる魚です。

いわゆるコバンザメ的な感じでおこぼれを頂戴しているというわけです。

 大型魚も寄生虫を食べてもらえるので、自ら掃除魚のすみかに立ち寄ったりして、互いに良い関係で共存してるようです。

 ホンソメワケベラは通常、寄生虫や食べカスを食べるのですが、たまにホンソメワケベラのメスが大型魚の粘膜を食べてしまうことがあるみたいです。(魚の粘膜も好物らしい)

大型魚は身体をかじられたわけですから、当然びっくりして逃げていってしまいます。

 するとオスは粘膜を食べたメスに懲罰をあたえるということが、英豪グループの研究でわかったそうです。

大型魚が逃げられてしまっては、おこぼれにありつくことが出来なくなってしまうため、オスはメスを怒るということです。「その食べ方はなんだ!」「大型さんが不快になるような食べ方はするな!」と。

 昇進を狙うサラリーマンが上司を自宅に招いて、奥さんが不機嫌に、いやいや接待し「ん~、な、なんだか、私はお邪魔だったかな。はは、はは。」という感じで帰してしまった後、「お前何なんだあの態度は!!」みたいな光景が浮かびました。

 グループの具体的な実験内容としては、ペアのホンソメワケベラを水槽に入れ、寄生虫にみたてた魚片と、粘膜にみたてた好物のエビの2種類のエサを投入し、メスがエビを食べたら、すぐに両方のエサを没収するというものです。

 何組かで実験したところ、いずれもオスはエビを食べたメスに対し、懲罰を与える行動が観察され、メスがエビを食べる回数が減少したという結果が出たそうです。

 この結果は、高度な生物の懲罰行動の起源を探る糸口になるということです。

 非常に興味があるので、個人的に懲罰の歴史について調べたくなりました。