清水 侑

エミー賞18冠の『SHOGUN 将軍』から学ぶ「他人の経験から学ぶこと」

ディズニープラスで放映された『SHOGUN 将軍』がエミー賞で18冠を受賞しました。

この時代劇は、ハリウッド作品でありながら日本語が7割を占めるなど、
これまでの時代劇とは異なる挑戦がなされ、話題となっています。

そんな中、プロデューサーが記者会見で述べた言葉が印象に残りました。

「この作品を作る前、『これまで時代劇が制作されてきたなかで、何が間違っていたか』を徹底的に話し合った」

これこそが、私たちの仕事にも通じる大事な視点だと思います。
過去の失敗から学ばずに同じミスを繰り返すことはよくあることです。
しかし、成功する人は過去の事例をしっかりと学び、改善点を見つけてから行動します。

例えば、会社において、誰かが(その人にとって)初めての業務を任されたとします。
ただ、社内や世の中では過去に経験した人がいるわけです。

失敗しやすい人は、過去の事例や失敗等を調べずに始めてしまいます。
そのため、必要書類の確認を怠ったり、行政機関から追加資料の提出を求められたり、結果として顧客対応が遅れてしまったりします。
このように、過去の事例を無視すると、どうしても失敗が多くなります。

しかし、成功しやすい人は「過去資料を参考にする」といった基本的なことにとどまらず、
社内で過去に経験した人に話を聞いたり、インターネット等で調べたり、今なら生成AIを活用したりして、
過去の事例や失敗等を調べ、今回との共通点を元に、「過去と何を変えたらいいのか」「何を課題と捉えて解決したらいいのか」等、
事前に問題点と解決策を考えてから仕事に着手します。

「仕事の着手が遅くなる」ことを懸念する人もいますが、過去の学習には時間はそれほどかかりませんし、
着手をしてから同時進行でやってもいいわけです。

こういう行動をする人は、「顧客への初動案内に必ずこの注意事項を入れる」「事前に行政機関に調整しておく」
「業務フローを大幅に変える」等、具体的で有効な施策を「自分が失敗する前に」どんどんやっていきます。

結果、上記の必要書類の問題のみでなく、様々な問題も解決していくので、失敗は減り、成功が増えるので、自然と業績や評判が上がります。
ストレスを少なく仕事を楽しめることになります。

プロイセンの宰相ビスマルクが「愚者は自分の経験からしか学ばないが、私は他人の経験から学ぶのを好む」と言ったように、
私たちも他人の経験を最大限に活かしながら、仕事に取り組んでいきたいものです。