押谷 清美

思い込み

みなさん、以下のように無意識に考えてしまう事はありませんか。


・黒いランドセルを背負った子供は、男の子だと思う。

・O型の人は、優しくておおらかな人だと思う。

・自分は引っ込み思案だから、リーダーには向かないと思う。


これらは、日常の中にある特定の人に対する思い込みです。

こういった思い込みは、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」と呼ばれていて、

これまでの経験やメディアなどの情報により無意識に判断してしまうものです。

アンコンシャス・バイアスが起こる要因の1つに「確証バイアス」があります。

「確証バイアス」とは、自分の偏見や先入観と一致する情報を重視し、それ以外を軽視する傾向のことです。


以下は、自己紹介の場面です。


「私は、A子です。血液型はA型です。

しっかり者だと言われますが、結構適当なところもあります。

趣味は旅行で、事前にしっかり予定を立てることもあれば、

予定を立てず、自由気ままに観光することもあります。」


⇒きっと、計画性のある真面目な人なんだろうな。



「私は、B子です。血液型はB型です。

しっかり者だと言われますが、結構適当なところもあります

趣味は旅行で、事前にしっかり予定を立てることもあれば、

予定を立てず、自由気ままに観光することもあります。」


⇒きっと、型にとらわれないマイペースな人なんだろうな。


A子さんとB子さんは、どちらも同じ話をしていますが、話を聞いている人が受けた印象は異なっています。

これは、聞き手側に、先入観があるため、その考えを裏付ける情報(太字の部分)のみに目を向け、それ以外は除外して相手の人柄を推測しているからです。これが「確証バイアス」です。


このような状況は、日常的な会話の他、様々な情報が得られるSNSやニュースなどでも起こりやすいようです。アンコンシャス・バイアスは、多かれ少なかれ誰しも持っているものですが、

思い込みにとらわれることで、本体の相手の良さや自分の持ち味を見逃してしまうかもしれません。


自分の中にあるアンコンシャス・バイアスに気が付き、自他の持っているありのままの良さを認め合うことで、自分にも相手にも、思いやりの気持ちを向けていけるとよいですね。